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障害児通所支援の送迎車、安全装置は「設置して終わり」ではありません―適切な運用と点検整備を再確認

障害児通所支援の送迎車、安全装置は「設置して終わり」ではありません―適切な運用と点検整備を再確認

公開:2026/9/6 07:09

児童発達支援や放課後等デイサービスなどでは、日常的にこどもの送迎を行っている事業所も多いと思います。

一定の送迎用車両については、こどもの置き去りを防止するための安全装置の装備が義務付けられています。

しかし、安全装置は「設置していればよい」というものではありません。

こども家庭庁などは2026年9月2日、「送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置の適切な運用及び点検整備について」とする事務連絡を発出し、安全装置が正常に作動するよう適切に運用し、点検整備を行うことを改めて求めました。

今回は、障害児通所支援事業所における送迎時の安全管理について、今回の事務連絡を踏まえて確認します。

障害児通所支援でも安全装置の装備が義務化されています

児童発達支援事業所、児童発達支援センター、放課後等デイサービス事業所では、こどもの送迎を目的として日常的に使用する一定の自動車について、置き去り防止を支援する安全装置の装備が義務付けられています。

対象となるのは、原則として座席が3列以上ある自動車です。

安全装置については、国土交通省が策定したガイドラインに適合した製品を使用する必要があります。

制度そのものは2023年4月から施行されていますので、今回新たに安全装置の装備が義務化されたわけではありません。

今回改めて問題となったのは、装備した安全装置が実際に正常に機能する状態になっているかという点です。

現地調査で「車外警報が鳴らない」事例が確認

今回の事務連絡の背景には、こども家庭庁が実施している安全装置の現地調査があります。

この調査において、安全装置の車外警報が鳴らない不具合が確認されました。

しかも、不具合が発生していた施設では、安全装置の点検整備が行われておらず、施設側が故障を把握していなかったとされています。

安全装置を設置していても、必要なときに正常に作動しなければ、置き去り防止という本来の役割を果たすことができません。

そのため今回の事務連絡では、安全装置を正常に作動させるための適切な運用とともに、定期的な点検整備の実施が改めて求められています。

安全装置があっても、職員による所在確認は必要です

もう一つ重要なのが、安全装置と職員による所在確認との関係です。

安全装置は、あくまでこどもの置き去り防止を「支援する」ための装置です。安全装置を装備したことによって、職員による確認が不要になるわけではありません。

障害児支援における安全管理について、こども家庭庁は、送迎時の乗車・降車の際に点呼などの方法によってこどもの所在を確認することを求めています。

また、降車後には乗車名簿と当日の出欠状況を照合し、情報に食い違いがあれば速やかに確認することや、車内清掃・点検を行う職員が見落としのないよう最終確認することなども示されています。

職員による所在確認 + 安全装置の二重の仕組みで置き去りを防止することが基本となります。

事業所で確認しておきたいポイント

今回の事務連絡を機に、送迎を行っている児童発達支援・放課後等デイサービス事業所では、少なくとも次の点を確認しておくとよいでしょう。

  • 使用している送迎車両が安全装置の装備義務の対象か

  • ガイドラインに適合した安全装置が装備されているか

  • 安全装置が正常に作動しているか

  • メーカーが定める方法・時期に従って点検整備を行っているか

  • 乗車時・降車時の所在確認方法が職員間で統一されているか

  • 乗車名簿と実際の出欠状況を照合する仕組みがあるか

  • 安全装置の操作方法を送迎担当者が理解しているか

  • 送迎担当者が交代した場合にも同じ手順で確認できるようになっているか

安全管理では、設備を導入することだけでなく、日常の業務の中で実際に機能する仕組みになっているかが重要です。

安全計画やマニュアルとの整合性も確認を

障害児通所支援事業所には、安全に関する事項について計画的に取り組むための安全計画の策定なども求められています。

送迎を行っている事業所であれば、送迎時の安全確認についても、実際の業務手順と安全計画、事業所内のマニュアルなどとの間に食い違いがないか確認しておきたいところです。

たとえば、マニュアルには「降車後に車内を確認する」と書かれていても、実際に誰が確認するのかが決まっていなければ、現場では確認が抜ける可能性があります。

反対に、現場では適切に確認していても、その手順が特定の職員だけに依存していれば、その職員が不在のときに同じ安全管理ができるとは限りません。

「書類があること」と「実際にそのとおり運用できていること」の両方を確認することが重要です。

安全装置は「設置して終わり」ではありません

送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置は、万一の人的ミスを補うための重要な設備です。

一方で、今回の現地調査では、装置を設置していても、点検整備が行われていなかったために不具合を把握できていない事例が確認されました。

児童発達支援や放課後等デイサービスで送迎を行っている事業所では、安全装置が設置されているかだけでなく、

「正常に作動するか」
「点検整備されているか」
「職員による所在確認が実際に行われているか」

まで含めて、現在の運用を確認しておくことが大切です。

送迎に限らず、障害児通所支援の運営では、基準やマニュアルを整備するだけでなく、実際の事業所運営と一致させておくことが重要になります。

参考資料

・こども家庭庁ほか「送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置の適切な運用及び点検整備について」(2026年9月2日)

・こども家庭庁「障害児支援における安全管理について」

・こども家庭庁「送迎用バスの安全対策」

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