1. 制度の概要
制度創設の背景
障害者総合支援法の改正により、2025年10月1日から「就労選択支援」が新たな障害福祉サービスとして開始されます。この制度は、障害のある人が就労先や働き方についてより良い選択ができるよう、就労アセスメントを通して、本人の希望・就労能力・適性等に合った選択を支援するためのサービスとして創設されました。
制度創設の目的
従来の就労系障害福祉サービスでは、本人が事業所に問い合わせをし、見学や体験をおこなった上で利用を決定していたため、福祉担当者や事業所担当者のアドバイスがあるとはいえ、ミスマッチが起こることもありました。
このような課題を踏まえ、就労アセスメント(就労系サービスの利用意向がある障害者との協同による、就労ニーズの把握や能力・適性の評価及び就労開始後の配慮事項等の整理)の手法を活用した「就労選択支援」を創設することとなりました。
2. 対象者・実施時期
段階的実施スケジュール
2025年10月〜:就労継続支援B型を利用したい者を対象とする就労選択支援が始まり
2027年4月〜:新たに就労継続支援A型を利用したい者や、就労移行支援を標準利用期間を超えて利用したい者が順次対象
特別支援学校での実施
特別支援学校では、高等部3年生以外の学年での実施、職場実習のタイミングで就労選択支援を実施できます。在学中の実施回数についても、複数回の実施が認められるとされています。
3. 実施主体
就労選択支援の実施主体は、大きく分けて5つあります:
就労移行支援事業者:過去3年以内に3人以上の利用者が新たに通常の事業所に雇用された事業者
就労継続支援事業者
障害者就業・生活支援センター
地域障害者職業センター
人材開発支援助成金(障害者職業能力開発コース)による障害者職業能力開発訓練事業を行う機関等
4. 支給決定期間・人員配置
支給決定期間
就労選択支援の支給決定期間は、約1か月です。自己理解等の改善に向けた1か月以上の支援が必要な場合は、2か月まで認められます。なお、アセスメントの期間(利用者による作業を通して実施するアセスメント)は基本的に2週間以内とされています。
人員配置基準
就労選択支援の人員配置については、事業所ごとに、管理者と専従の就労選択支援員を置かなければなりません。専従の就労選択支援員の数は、「利用者数÷15」人です。短期間のサービスであることから、個別支援計画の作成は不要。サービス管理責任者の配置も必要ありません。
就労選択支援員の要件
就労選択支援員であることの要件は、就労選択支援員養成研修の修了となっています。ただし、経過措置や、就労移行支援または就労継続支援との一体的な実施における兼務が認められます。
5. サービス提供の流れ
基本プロセス
アセスメントの実施 作業場面等を活用した状況把握や、本人の強みや特性、課題を整理
ケース会議の開催 複数の関係機関とのケース会議を実施することで、サービスの質と中立性の担保を図っています
関係機関との連絡調整 就労系障害福祉サービスを利用することになった場合、必要に応じて該当するサービスの事業所等との連絡調整を行います ハローワークや障害者就業・生活支援センター等の一般就労に向けた支援を利用することになった場合、必要に応じてこうした就労支援機関との連絡調整を行います
中立性の確保
各関係機関が持つ情報や知識を互いに共有することで、より綿密な就労アセスメントの実現につなげています。また、支援員の判断だけで各種福祉サービスに振り分けられることはなく、本人が決断して利用の有無を選択できます。
6. 期待される効果
就労選択支援を利用することで、本人の希望や適性とマッチしたサービスや就労先の選択につながることが期待されています。
また、障害のある方が自分の能力や特性に合った仕事を見つけるための道しるべとなって、社会で活躍する可能性を広げることを目的の一つに掲げる制度として、障害者の多様な就労ニーズへの対応強化と雇用の質向上を目指しています。
参考資料
厚生労働省「就労選択支援の実施について」(令和7年3月31日・障障発 0331 第3号)
厚生労働省「就労選択支援実施マニュアル」
(厚生労働省) 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定関連資料
一覧に戻る
Contact
まずは状況をお聞かせください
ご相談内容が整理できていなくても構いません。分かる範囲で現在の状況をお知らせください。初回相談は無料です。原則として2営業日以内に返信いたします。
