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大阪市が就労継続支援B型の新規指定を停止 開業前に確認すべきポイントとは

大阪市が就労継続支援B型の新規指定を停止 開業前に確認すべきポイントとは

公開:2026/3/20 06:03

 2026年3月、大阪市が就労継続支援B型事業所の新規指定を停止する方針を発表しました。対象期間は2026年8月1日から2027年7月1日までの1年間、対象区域は大阪市全域です。市によると、2025年12月時点でB型事業所数は1079カ所に達し、2023年12月と比べて1.5倍に増加しました。この数は市が試算した需要量見込みの1.5倍に相当し、供給過多だと判断されました。

 横山市長は「税がかなり投入される事業のため、需給バランスの適切な見極めが重要」とコメントしています。運営が不適切だとする苦情も寄せられていたことが、今回の判断に影響したとみられます。

総量規制の法的根拠

 この措置は「総量規制」と呼ばれ、障害者総合支援法第36条第5項に基づくものです。同条項では、自治体が策定する障害福祉計画において定めた必要な量(必要量見込み)を既に満たしている場合、新規の事業所指定を行わないことができると規定されています。
 これまで障害福祉サービス事業所の指定は、申請があれば人員基準・設備基準等を満たしている限り原則として指定される仕組みでした。しかし、供給過多による質の低下や公費の適正使用の観点から、この規定を活用する自治体が増えています。

全国に広がる動き

 大阪市だけの動きではありません。京都市では2025年11月から既にB型の総量規制を開始しており、2027年度以降は公募制に移行する予定です。公募制では、事業所を開設したい事業者は審査を受けて選考される必要があります。
 札幌市、秋田市、福島市でもB型の新規指定を一時停止中です。宮崎市や福岡県苅田町では年度ごとの公募・選考制に既に移行しています。厚生労働省の審議会でも、B型を含む就労支援事業所の新規指定や運営状況の管理に関するガイドライン案が示されており、今後この流れは全国に広がると予想されます。

開業前に確認すべき具体的ステップ

 障害福祉サービス事業所の開業を検討する際は、以下のステップで事前調査を行うことが重要です。

1. 自治体の障害福祉計画を確認する

 各自治体は障害者総合支援法に基づき、3年ごとに障害福祉計画を策定しています。この計画には、サービスごとの必要量見込みと確保の方策が記載されています。開業を検討している自治体のウェブサイトで最新の計画を確認し、希望するサービス種別の供給状況を把握しましょう。

2. 新規指定の制限状況を問い合わせる

 障害福祉計画で供給が見込みに近づいている場合、総量規制や公募制の導入が検討されている可能性があります。自治体の障害福祉担当課に直接問い合わせ、新規指定に制限がないか、今後の予定はどうかを確認することをお勧めします。

3. 事前協議の要否と期間を確認する

 就労継続支援B型の指定申請には、多くの自治体で事前協議が必要です。大阪市の場合、指定を受けたい月の3か月前に事前協議を行う必要があります。事前協議では人員配置や設備等の確認が行われるため、物件契約前に基準を満たせるかを確認することが重要です。

4. 物件の要件を確認する

 訓練・作業室等の設備は、建築基準法に基づく基準を満たし、消防法に基づく防災対策がとられている必要があります。また、採光・換気設備が一定要件を満たしていることも求められます。物件を契約する前に、これらの要件を満たせるかを建築士や行政書士に相談することをお勧めします。

5. 事業計画と収支予算を精査する

 就労継続支援A型・B型の事前協議では、事業計画書、収支予算書、生産活動に関する資料の提出が必要です。特にB型では工賃の支払い能力、A型では利用者の給与を事業収益で賄えるかが審査されます。

既存事業所への影響

 総量規制は新規事業所に影響するだけではありません。既存事業所にとっても、定員増加を伴う変更届を提出する際に事前協議が必要な場合があり、総量規制の対象となる可能性があります。
 また、2026年6月からは厚生労働省の報酬改定により、新規に指定を受ける事業所のみ基本報酬が引き下げられる措置が開始されます。対象はB型、グループホーム、児童発達支援、放課後等デイサービスの4類型です。

まとめ

 障害福祉サービス事業所の開業には、物件確保から建築・消防対応、人員確保を含めると半年から1年かかります。準備を進めた後で新規指定が停止されていることに気づくと、それまでの投資が無駄になりかねません。
 開業前の市場調査と制度確認は、事業計画の一部ではなく、事業継続の可否を左右する最も重要なステップです。自治体の障害福祉計画、総量規制の状況、指定基準、事前協議の手続きなど、確認すべき事項は多岐にわたります。
 不安な場合や専門的な判断が必要な場合は、障害福祉サービスの指定申請に詳しい行政書士に相談することも選択肢の一つです。行政書士は、自治体の最新情報の確認、事業計画の実現可能性の検討、必要書類の準備などをサポートすることができます。

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